てりてり法師を見ながら昼寝する午後

てりてり法師を見ながら昼寝する午後

今朝見つけた薄田泣菫(すすきだきゅうきん)の詩。
わざわざ詩集を手に取る。ということをほとんどしないけれど、
それだけに、
たまたま見かけた詩が
すなおに染み入ってくることがある。

 

こさめ

今日も小雨が
降るさうな。
お寺の庭の
菩提樹に、
蛇の目の傘に、
つばくろに、
わたしが結うた
鉢の木の
てりてり法師に、
まださめぬ
昼寝の夢の
あの人に。

泣菫詩抄  薄田泣菫

 


そういえば…
こさめ
という言葉を最近使わないな…と思う。

ただ霏々として風景に細い線をひく。
音もなく。

窓に吊したてりてり法師を見ながら、
すこしだけお昼寝したくなる。

機嫌良くいきましょ
藤井あき乃