人間の手には、信頼すべき性質が宿る
最近、「民藝とは何か」(柳宗悦 著)を読んでいる。
気にはなりつつ何年も、手に取ることなく過ぎていた。
この仕事をするようになってからその存在を知ったので、
20年近くは過ぎている。
何十年ではないけれど、数年でもなく、
その間自分が人生で経験したことを考えると相当な年月。
それを、なぜ今「読みたい!」と思うようになったかはほんの偶然で、
アマゾンKindleでしか読めない本(古本はあると思うが苦手なので)を購入し、何度も試したがうまくゆかず脱力していたとき、
『Kindleでサンプルをダウンロードして読んでみよう!』と紹介されていたのが柳宗悦の「手仕事の日本」だったから。
試してみたら、なぜかするするうまくいった。
(ちなみに未だにちゃんと購入した商品はうまくゆかないが、どのサンプルもサンプルならうまくゆく。ふしぎ。)
そのKindleサンプルで読んだ「手仕事の日本」の一説に、
人間の手には、信頼すべき性質が宿る
「手仕事の日本」柳宗悦より
とあったのが、やっぱり柳宗悦ちゃんと読んでおこう。と思った理由。
この短い一文に心を掴まれて、
まずは「民藝とは何か」からだろう、と手に取った。
しかし!
最初の方は「あー無理かも。だめかも。」と思う文章が続く。
難解というわけではないのだけど、
自分に馴染んでくれない感じ。
ただとても薄い本なので、なんとか読了だけでも目指そうとがんばっていたら、
第二編にはいったあたりからおもしろくなってきて俄然丁寧に読み進めている。
いわゆる「用の美」が語られている箇所。
ふんわり知っているつもりではいたけれど、
誰かに言葉で説明できるほど自分の中で熟れた概念とはなっていなかったことを、幾通りにも表現を変えて教えてくれる。
まだ何も語れませんが。
そのうちに言葉にできるようになったらまたお付き合いください。
画像はエンボスと水引をあしらったシール。
剥離紙を剥がす際には少し丁寧に。
機嫌よくいきましょ
藤井あき乃