130年前の風景
木枯らしが吹く肌寒い一日。
道端に吹きだまった色とりどりの木の葉が舞う。
日本の紅葉が美しいとされるのは落葉樹の種類が多いからだとよく聞くが、
空気感というのも多分にあるだろう。
夏くらいから読み始めてまだ読了していないラフカディオハーンの「日本の面影」には、
美しい日本の記述に溢れている。
日本の陽光は夢のように穏やかで、その中にはどぎつい色彩は見られない。この東洋の自然の色には、強烈なものを感じさせるものがない。海を見ても、空を眺めても、色彩と言うより色合いとでも言ったらいいような、霞むようなほのかな淡い色調を感じるだけである。素晴らしい日本の染色を見ればわかるように、この民族の色彩や色合いに対する洗練された趣味には、けばけばしいものが何もない。それは、この国の穏やかな自然が、落ち着いた繊細な美しい色彩を帯びているところに、大きく由来しているからではなかろうか。
新編日本の面影 ラフカディオ・ハーン
1890年はじめに書かれた作品集が元になっているので、
ざっと130年位前の日本の光と色のこと。
今とは随分違っている気もするけど、
何も。。。変わっていない気もする。
懐かしくてせつないきもち。
機嫌よくいきましょ
藤井あき乃