夏の夜に

少々戸惑うほどに涼しい。
心身共に軽やかさが戻ってくる。
気象情報をみると、
このあたりは来週水曜日くらいまで最高気温が30度を切っていて
嬉しいような寂しいような。
猛暑でなければほどほどの残暑もまた風情なのだけど、
と身勝手なことを思う。
仮彫刻した「稲穂」遊印をいろいろに捺していると、
素直に秋を隣に感じる一日だった。
今年に入ったあたりから小林秀雄の「本居宣長」を読み始めたのだけど、
私にはなかなかに難しくかみしめるように読んでいる。
何回読んでも「はぁ?」で終わる箇所も多いが、
興味を持って読み続けていられるのは、時折線を引きたくなるような一文があるから。
本に線を引いたり絶対にしないのだけど、
小林秀雄の文章にはそんな風に心が惹かれてやまない(ことがある)。
心の底に幾度となく降り積もっているけれど、
年月と共に硬くなってしまって表に取り出せなくなってしまったものを、
すっと明らかにしてくれるような。
あぁそうだ。それです。てな感じになることがたまにあって、難しくとも簡単には投げ出せない。
そして「本居宣長」氏のおかげで挫折しまくっていた源氏物語をもう一度読み始めた。
今回はすみずみまで読めそうな気がしている。嬉しい。
夏の夜の涼しい風に浸りつつ、
雨雲の向こうの満月と一杯飲むかな。
今日もここにきてくださってほんとうに。。。
ありがとうございます。
どうぞそれぞれに。。。
しあわせな週末でありますように。
藤井あき乃