春を告げる鳥と夏を連れてくる鳥
火曜日の夕方からざっくり描いて版下を作った鶯①(たくさん捺している子)。
鶯って特に特徴があるわけでもなく、
彫刻機的な限界を考えると羽の細かい部分や、
くちばしから目元を通って羽に向かって細く色が変わっているところなどを表現するのが難しいため、
どんどんシンプルにしてゆくとただの小鳥になる。
この子に「鶯」と名前をつけてもよいのか?
そもそも。。。
ウグイスかホトトギスかどちらかの印を作りたくて、
ずいぶんいろいろ調べてきましたが、
ウグイスって地味なのよね。
柄もないし。
その点ホトトギスの方が少し特徴がある感じですけど、
体長(尾っぽ)が長くて正方形にバランスよく配置するのが難しい。
おなかの模様も、
やたら彫刻時間がかかるし印影的にも微妙。笑
春は花、夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷しかりけり(道元、本来の面目)
が頭の中にあり、いつかほととぎすの印を作る。とずっとずっと思っていたので、
なんだか諦めきれない心がありますけど。
今回は鶯の仲間を増やそうと思う。
単独でも絵になるように枝にとまらせたけど(梅に鶯っていうしな)、
梅の花をくっきりつけてしまうと、
使える季節が限定される。
そもそも梅の時期の鳴き声よりも、
今くらいの時期のほうが美しい(上手)鳴き声になる。
春が立つ頃から夏に入る頃までは登場してもらいたい。
と思って微妙な枝にした。
が、
ちょっと枯れ木っぽいかも。
しかしあまり目立たせると、どっちが主役かわからなくなる。
いろいろ捺してみて、
先日から使っている「春夏秋冬」草書印「春」がよい仕事をしてくれてヨロコビつつ、
やっぱりもう少し太らせた方がいいかもと、夕方から再度作り直したのが右下の子②です。
ダメ元で、目元のラインと、羽部分をつくってみましたが、
やはり彫刻的には少々無理がある。
そして
ふっくらさせすぎて雀みたいになってきた。笑
いやー。難しい。
けどあと少し。
できる限り美しく生み出してあげたいと思う。
母の葛藤の記録でした。
見通しよくいきましょ
藤井あき乃