「切手包み」の折形
三椏の半紙でつくった折形です。
手製の和紙封緘紙をおさめてみました。
私が最初に出会った折形の本(何度もご紹介しましたが私のバイブル)の2番目に掲載されている
「切手包み」という折形を参考に折っています。
以下「半紙で折る折形歳時記」折形デザイン研究所/小澤實 著 より一部引用します。
◎古い(折形の)雛形からは、日本人がこれまでさまざまな品物を包み、贈ってきた歴史が見て取れます。
なかには、現代の生活の中からすでに消え去ったもの、贈る習慣がなくなってしまったものもあります。
◎室町時代には現代のような郵便制度はないので、伝統的な折形の中には、切手包みは存在しません。今回ご提案したのは、新しい時代の新しい折形です。昔には昔の、現代には現代なりの、包んで贈りたいものがある。
伝統と精神は遵守しながらも、折形はまた、時代を映しながら変化していくものであるべきだ、と私たちは考えています。
伝統と精神は遵守しながらも時代を映しながら変化してゆけるものは、
きっと生き残ってゆけるだろう。
自分がやっていることが、その道から外れていないことを願う。
印にしてしまった折り熨斗は、
その本来の意義や価値をすでに失っているようにも思うけれど、
齋藤和胡氏の言う「贈る側の気持ちを表すアイコン」として、
そして今の人が使える道具のひとつとして、
存在できるなら嬉しい。
20年前に新しい折形として紹介された「切手包み」は、
今の私が贈りたいもののための折形になってくれた。
10年後に、私はこの折形に何を包んでいるだろう。
今の私が作ったこともないような何かであるならとても素敵。
機嫌良くいきましょ
藤井あき乃