取り戻せないこと

取り戻せないこと

今日は十五夜で明日は満月。

夜、窓ガラス越しに月を見ると、
この時季のいつもの月のように、
日に日に丸くなって近くに、大きく見える。

つい窓を開けるけど、
途端にサウナのドアを開けたような熱気が部屋に流れ込み、速攻で閉める。

月は変わらずこの時季の大きさでその位置にいても、
眺めている側の空気感でその風情は変わるんだなと思う。

なんとなく。。。
ここのところの発送時の便箋に、
どうしてもお月見団子の印を使う気分になれず。

ほんとは彼岸花もまだ見ない。

自分が生きている間ですら、
季節感がひとつずつ。。。少しずつ昔話になってしまうのを
ただ悔やんでも仕方ないけれど、
泣けてくるような気高さや美しさを失ってしまったらもう取り戻せない。
めったなことでは。
人も同じ。
自分自身も含めてだけど。

見通しよくいきましょ
藤井あき乃