小さな自力の証

京からかみさんのハギレ(紗綾形)と粘土のかけらの組み合わせで簡易金封をつくる。
落ち着いたかっこよさを目指した。
からかみの面積をいつもより大きくしたので、
負けないように粘土のかけらも少し大きめを選ぶ。
赤系の色だと浮きそうで藍鼠色に金箔をのせたものにしたけれど、
どうにも締まらず金茶の水引をたす。
あーまたしても。
足りない感じを別のもので埋めようとしてはだめ。
こちらはこちらで少し物足りない感じもする。
手持ちの中で最も深い赤色のかけらを選んだけれど、少々軽め。
失敗の後、びびって無難にまとめましたねという感じ。
封筒の和紙は同じもの(機械漉き和紙「富士」)を使っている。
「足すこと」と「引くこと」の調和は考え出すと難しいけれど、
ちょうどよい感じに無理なくたどりついているときもある。
ごくごくたまにではあるけれど。
多分目指すのは、
自分自身がその状態にあること。
醜さは小さな自力の証(しるし)。 「美の法門」柳宗悦著
仰せの通りです。柳さん。
きげんよくいきたい
藤井あき乃