思いを包んで運ぶもの

今日は郵送できる定型封筒と便せん作りを。
上の画像は竹久夢二 100枚綴りの便せんより「七夕や」。
レターブックの一覧を見ると焦げ茶色の縁はついていないので、
レターブックならではなのかもしれない。
この焦げ茶の縁取りがよい仕事をしてくれた。
封緘には京からかみさんのハギレのほうがよい。
既に細切れ化しており、元はどういう文様だったのか思い出せないが、
ほんの小さな面積でも銀色の雲母の存在感は格別。
封筒に使った白い和紙は筑前秋月和紙処さんの手漉き和紙。
数年寝かせた後の落ち着いた色味がよい風情を醸してくれる。
便せんは、福西和紙本舗さんの藍染め手漉き和紙。
こちらも色落ち感がなんともよい。
私にとっては珍しい横置きタイプの封筒も作った。
こちらも透け感を活かしたかったのだけど、画像だと汚れにしか見えない。
内側に控えているのはこの方。
【100枚レターブック 日本の美しい花 「木槿 むくげ」】
きれいに透かしたいのなら上で使っているような薄手の白い和紙でつくるべきだったが、
使い切ってしまったと思っていたこのベージュの和紙(実際は経年変化でかなり濃いベージュになっている)を見つけて何か作りたくなったのだ。
とても気に入っていた和紙で、同じものを待ち望んでいたのだけど再びの作製が叶わなかった幻の和紙。
無沙汰を詫び消息を尋ねる便りでも、感謝を伝える便りでも、
自分の言葉を包んで運んでくれるものに仕立てたかった。
【筑前秋月和紙処さんの幻の和紙】
いつも思うが紙との出会いも一期一会で、
もう一度手に入れたいと思っても叶わないことはよくある。
また今日使った和紙のようなよき経年変化も、
保管している場所、環境によって変化の結果は違うはずで、
同じ環境でも、2年前なら今日とは違う状態だったろうし、
1年後にはもう使いづらい状態になっていたかもしれない。
今、目の前にある和紙に、
今の自分で丹精できるさいわいを実感した早朝だった。
金曜日ですね。
今週はどんな一週間でしたか?
今年は暑中に入る前からお見舞い申し上げたくなる暑さに突入してしまいました。
問うたところで詮方ないが、ずっとこうなんだろうか~。
早くも秋が恋しい。
みなさまどうぞどうぞ。。。ご自愛専一に。
今日もここにきて下さってほんとうに。。。ありがとうございます。
藤井あき乃