思惑が外れた後

これは、カジュアルに使う簡易金封を作るつもりはなかったのに
そうなってしまった簡易金封の画像。

機械漉き和紙「富士」使用。内包みは半紙。
エンボッサーは瓢つなぎ。遊印は瓢親子の組み合わせで。

和紙裁断後、折り筋をつけたら最初に色塗りをする。
当初の思惑通りにはゆかないとわかるのはその時だが、
そこでくじけず速やかに別の用途を思いつけるかどうかが
大切な資質だと最近よく思う。

別の用途を想定せずに「あー（だめなのに）」と思いつつ
とりあえず最後まで作っても、
結局使える物に仕上がらないことはとても多い。
その時のむなしさったらない。

実際に使えるものを作ることができるから楽しいし、
自分が機嫌よく使えるから嬉しくなる。
そんなふうに仕上がった物は多少出来が悪くとも
お渡しした相手にも楽しんでもらえることが多い。

この簡易金封は、色塗りの結果が想定外だった時点で
「立て替えてもらっていた代金を渡すとき用」という用途に変わった。

当初の思惑が何だったかはちょっと恥ずかしくて言えない。
色塗りの結果を見ずともこの色達を選んだ時点で完璧に外れている。
試し塗りくらいはやったほうがいいと思うよ。ほんとにね。

きげんよくいきましょ
藤井あき乃