野分

野分

台風も穏やかに終わってくれほっとしています。。。

昨年和歌山大学のオンライン講義を受講した際、
台風というのは英語の「typhoon」から来ていて、
もともとは「野分」と言っていた。と教えて頂いたことをふと思い出し、
広辞苑で調べますと

のわき(野分)
⓵(野の草をわけて吹く意)二百十日、二百二十日前後に吹く暴風。台風。また、秋から初冬にかけて吹く強い風。

とあります。

のわけ(野分)は「のわき」に同じ。

とも。

和歌山大学の先生は「のわけ」よりも「のわき」の方が音としては美しいと思う。
と仰っていらしたなぁ。

そういえば、源氏香図に「野分」という名前の香図があったよね。
と、なぜか以前作っていたはずの「野分」版下が見つからず、
わざわざ版下から作り直ししてまで彫刻(自分がやりたい事はどうあってもやる)。

ちゃんと野を分けています。

だけどこれは、
夏至の終わりにやってくるような
鬱蒼と茂る緑を大きく揺らす台風のイメージではなく、
やはり9月の始めの頃、二百十日とかそのあたりの野を分けて吹く風のイメージだなぁと思う。

枕草子百八十六段は、

野分の又の日こそ、いみじう哀れに、覚ゆれ。

で始まりますが、まさにそんなイメージ。


自分の頭に浮かんだことを、そのまま行い、そのまんまここで書いており恐縮ですが、
お付き合い下さってありがとうございます。

久しぶりに新しい源氏香図印を手に入れちょっと嬉しい午後です。
どんなふうに使おうか。

機嫌よくいきましょ
藤井あき乃