紺色のとんぼ

紺色のとんぼ

初めて「とんぼ」遊印を赤系以外の印肉で捺してみました。
随分前に(恐らく10年以上か。なんだかこういう昔話が多いこの頃)、
お客様に頂いた【白地に紺のとんぼが散らしてある和紙】に惚れ込んだ事を思い出しながら。

その和紙は大層気に入って、その後自分でも取り寄せて巾着袋など作って楽しんでいました。

あの頃は、スタンプパッドしか知らず、
「とんぼ」に程よい色を見つけられなかったこともありますが、
印泥(美麗)で捺す「とんぼ」遊印がなにしろかわいくて、^^
他の色で捺してみたらどうだろう!という考えもなかったなと思います。

葉月の短冊紙は、少しくすんだ青系のグラデーションで作ってみました。
短冊に使っている和紙は、少し生成りが強めの手漉き和紙。
グレーに近いような藍染の手漉き和紙を下に重ねています。

先日もご紹介した青系印肉パレットの右から二番目で源氏香図「朝顔(9ミリ印影)」を捺し、
「葉月」印は、濃いグレーに濃い緑の印肉を重ねて捺しています。
「とんぼ」遊印は紫がかった紺色で。

暦の上では秋が立つ葉月は、
体感的には厳しい残暑を受け止めながら、
きもち的には、なんとか秋の気配をキャッチしようと思い始める時季。

太陽が昇ってくるのも日に日に遅くなり、夕刻の光が変わり始める。

あとひと月もしたら、そんな季節感でしょうか。。。
そう思いますと、
この暑さも愛おしく感じます。


エアコンが効いた部屋の中から言うなよ。と言われそうですけど。

機嫌よくいきましょ
藤井あき乃