秋襲の色和紙

秋襲の色和紙

秋襲(あきのかさね)の色和紙づくりに挑戦中。
今までは機械漉き和紙「雪」に色を入れていたのだが、
今回初めて「富士」(同じく機械漉き和紙)を使った。

 

濃く色づけた「富士」に薄く色を入れた「杉原紙」を重ねたら、
さぞかし素敵!
と、いつものように思いつきが妄想と化すのはあっという間で、
その世界では自分はなんでもできる人になっている。

 

作業は楽しかったが、目指した色とはかなり違った紙が仕上がった。

 

和紙封緘紙をつくるときにも常に感じることだが、
自分の中にある「秋色」と本でみる「秋の襲」の色とはかなり差がある。
けれど、本の中にある「秋の襲」も確かに秋色であり、
それらを見て「これは秋の色ではない」などと感じることはない。

自分の中にある「秋色」の代表格じゃないってことだろう、と思うが、
本から目を離してしまうと(一瞬で)、
かなり違う色ができてしまっている。



まずは自分をすてて習う
ということが苦手な性格がこんなところでも露わになる。
そもそも
目を離さなくとも同じ色を出すのは難しい事を知っているのに。
謙虚さに欠けると進歩はない。

 

杉原紙には辿り着けなかったので重ねられず、
まずは細い線で切り出し、粘土玉と組み合わせて箋をつくった。
立秋後半から処暑に向けての便り。

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今回、紫苑色を目指したのに茄子紺のように濃くなった紫の紙だが、
和紙の質感が最も残っていたのはこの色だった。
手前は、黄土色に金を重ねたもの。
季節を問わず重宝する色でこれは目指していた色そのもの。嬉しい。

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余った色液で紙紐も染めた。
右側は夏色の紙紐の残りだがこうやって見ると、
夏の名残と秋のはしりを感じるなぁ。

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なんて、ひとり悦に入る午後。

きげんよくいきましょ
藤井あき乃