手製のちから

手製のちから

杉原紙を染める。
目指したのは「女郎花」色だが、かなり違う。今回は皺もよったなぁ。

 

私は色に関する本を2冊しか持っていないが、
どちらの本にも「女郎花色」の説明として、
経糸(たていと)を青(=緑)、緯糸(よこいと)を黄で織った織色とある。

今回は顔彩を使ったが、緑と黄を混ぜると想像通り黄緑色になる。
本の色見本とははっきり違う。
もう少しくすんでいるし(茶か?)青みがかっても見える。

本にある女郎花の色見本から目をそらさず、藍色や金黄土を少しずつ足した。

透け感が欲しかったのであまり濃くならないように水を足していると、
色液がたっぷりできてしまって紙糸も染めた。
緑が濃く見えている色の方は、最後の色液に本藍をかなり多めに溶いた色。
藍色には近づかず緑が濃くなるのがおもしろい。

早速ひと言箋と封筒をつくった。

画像長い水引は濃緑。「縁」印も常磐色で捺した。画像

染めた和紙に直接書くのもよいのだけど、

そうするとペンの色まで気にしそうで(墨書きするには少々紙のサイズが小さめ。小さな字を書ける方はよいのだけど。)、
染めた和紙は背景として添える。

 

こういうものをつくりながらいつも思う。
この便り一式をつくっている間ずっとその人のことを思っているとしたら、
それこそが便りであろう。
手製のものには、良くも悪くもそういうちからがある。
ごまかせない。
心して。ほほ。

 

さて金曜日。
昨日の朝と今朝、朝焼けした空のずっと上の方に月が見えた。
新月前ぎりぎりの細い月。
夜明けは少しずつ遅くなっていて、
朝焼けの朱も少しやわらかく見えた。

今週はどんな一週間でしたか?
今日もここにきて下さってほんとうに。。。
ありがとうございます。
どうぞそれぞれに。。。
しあわせな週末でありますように。
藤井あき乃