待つ時間に育つもの

失敗のしようがない簡易金封を作る。
内貼りしないとほんとうにほんとうに!楽。
機械漉き和紙「雪」※を使用。
内包みは半紙。
エンボッサー:「福寿」※ 「散りもみじ」※
遊印:「もみじ」※7.5と10.5ミリ角
細い直線:銀色の箔(煌葉-kiraha-)※
土曜日に届いた粘土(初めての素材)で作ってみた試作品は、
改善も工夫も施しようがない結果となって完敗。
こんな見込み違いも自分としては珍しいが、
改めて、
質感的にもやっぱり石塑粘土が好きだわと再認識できたことがよかった。
一方、取り寄せてみた絵具はとても気に入ったので、
石塑粘土とこの絵具を使ってもう少し試作する予定。
(石塑粘土のかけら ジャパネスクカラー)
今回もとめたアクリル絵具は、
ターナー〈アクリルガッシュ〉 のジャパネスクカラー。
top画像の簡易金封にはりつけている粘土細工のかけらは藍鼠色。
上の画像左側の黒にしか見えないかけらは青墨色。
黄土色にしか見えないかけらは木蘭色。
大層よい。
青とか黒とか白を混ぜてもやっぱりこの色をつくるのは難しい。
本物の墨を混ぜるとそれなりになることもあるが、
完全乾燥した後も、墨は水気に反応してしまうので、
今回のような使い方をするなら墨は使えない。
いつも使っている顔彩だったら、もっといろんなバリエーションがあるけれど、
粘土に塗るとか混ぜ込むという前提で考えると、相性がよいわけではない。
(手間がかかる)
素材や道具を含め、粘土の厚みとか、色の混ぜ具合とか、塗り方とか
やりたいことは全部やってみたから、最適解まであと数歩。
今回はしつこくやっている。
私の好きな要素が詰まっているからだろう。
小さな小さなかけらのために、
いちいち時間を置いて粘土の準備が調うのをじっと待つ。
待っている間に自分の中でも育つ何かがある。
見通しよくいきましょ
藤井あき乃