お正月の設え

お正月の設え

思いたったが吉日で、
昨日から「鏡餅」遊印の版下作りをやっている。
この遊印も数年前から試作を重ねてはいたけれど、
「これだ!」感を得られるものを作れず脱力、放置。
やる気が満ちてくるのを待っていたのだけど、
「しめ縄」遊印のおかげで突然やる気モードに突入。
感謝。

お鏡餅のしつらえ方にも地域やその家に代々伝わるカタチがある。
加える飾り物にも夫々に願いが込められ、いわれを持つので
印面サイズにあわせて私の都合で選ぶわけにもゆかないし、
すべて取りこぼすまいと欲張るのも混雑しすぎてよろしくない。

どうしよう。

そういえば!
葛飾北斎の一筆画譜の中にシンプルな鏡餅の画があったと思い出す。
紙の上に裏白とゆずり葉(多分)を敷き、
ふた重ねのお餅をのせたシンプルな一筆画をじっと見ながら考える。
今から覚え書きを交わして作業していると結構な日数がかかるしなぁ、
しかもこの裏白の「ぎざぎざ」は彫刻機的には厳しそうだしと、
少し悩んでみて、今回は自力で何とかしようと
やっと心が決まる(やる気モードに突入後も往生際はなかなかに悪い)。

三方は「お月見団子」遊印を作ったときに描いた物があるから、
それに再度手を入れる。
飾り物は一切使わずお餅だけで勝負することに決め、
3回目の彫刻が上の画像。

線だけで構成されるとやはりさびしいか。。。
しかしお鏡餅を真っ赤にするのもなぁ、
と三方の方を塗ってみたけどやっぱり違う。
結局このカタチになった。すっきりと。

このお鏡餅の中にはちょっと入れそうにない感じだけど、
大黒様ゑびすさんにもご登場いただき、おめでた感満載で。
自分の年賀状はこの組み合わせでいこう!と安堵する。
いったい誰のために何をしているのやらだけど。。。

よき年であることを心から願っている事は
ほんとうのほんとう。

見通しよくいきましょ
藤井あき乃